手塚治虫の手によって1961年に設立された虫プロダクションは、日本で最初の30分のテレビアニメシリーズ「鉄腕アトム」を製作し、日本初のカラーテレビアニメシリーズ「ジャングル大帝」や、最初の大人向け長編劇場アニメーション映画「千夜一夜物語」の製作と、つねに新しいジャンルに挑戦し続けていました。
現在の虫プロダクション株式会社は、1977年に再スタートし、「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」「あしたのジョー」などの作品を、旧虫プロダクションから受け継ぎ、大切に運用しています。
手塚治虫のアニメーションは、いつもヒューマニズムにあふれるものでした。
虫プロはこのアニメ作りの心を受け継ぎ、人に対する優しさや思いやり、環境や、平和の尊さを訴える作品作りを心がけてきました。
新虫プロは基本的に長編の制作を軸に活動してきました。
自然と人間とのかかわりをテーマに『千本松原』『九頭竜川少年』『明日をつくった男』『パッテンライ!!』等のアニメーション映画を。
平和の尊さと戦争の愚かさをテーマに『火の雨が降る』『うしろの正面だあれ』『NAGASAKI・1945・アンゼラスの鐘』等々。
これらの作品には、私たち人間がいかに自然の特性を知り、創意工夫して自然環境との共存の方法を見出してきたか、ということが描かれています。